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資本金・資本準備金・その他資本剰余金

2021/11/08 月曜日

出資を受けると出資金は「資本」に計上される。
資本というのは総称であり、資本金、資本準備金、その他資本剰余金の3つに分類され、これらを資本勘定科目という。本ページでは資本三兄弟と呼ぶことにする。

この資本三兄弟の違いは何か?というのが本ページのテーマである。
「資本金」と「資本準備金、その他資本剰余金」とにカテゴライズすることもあるし、
「資本金と資本準備金」と「その他資本剰余金」とにカテゴライズすることもある。
後者の方がわかりやすいので、後者のカテゴライズに沿って考えてみよう。

資本三兄弟のうち、その他資本剰余金は利益剰余金と併せて分配可能額を構成するので、
配当や損失処理や株主の保有する株式の買い取りの資金とすることができるのだ。

一方資本金や資本準備金は配当や損失処理や株主の保有する株式の買い取りの資金とすることはできない。

つまりその他資本剰余金とは会社資金を株主に還元・流出させる場合の限度額ということである。

それでは次に「資本金」と「資本準備金」の違いである。
資本金・準備金・剰余金の間はすべて移動(振替といった方がいいかもしれない)が可能ということを押さえておこう。どういうことか。
資本金100 資本準備金0 その他資本剰余金0という会社において、これを

資本金      50
資本準備金     0
その他資本剰余金 50

とすることも、

資本金       0
資本準備金    50
その他資本剰余金 50

とすることも、

資本金       0
資本準備金     0
その他資本剰余金 100

とすることも可能である。
この手続を「減資」という。つまり減資とは資本三兄弟の係数操作、振替にすぎないのであり、会社の資金は1円も減っていないのである。

誤解を恐れずにいえば「減資とは資本金をその他資本剰余金に変える(振り返る)だけの手続」である。会社資金の株主への還元・流出はその動機または手続後の用途にすぎない。株主への還元・流出を予定していなくとも減資は実行可能である。具体的な目的や用途がなく減資を行うことはあまりメリットはないが・・・。

また、
資本金50 資本準備金50 その他資本剰余金0という会社において、これを

資本金      50
資本準備金     0
その他資本剰余金 50

とすることもできる。

これを準備金の減少という。これも資本準備金をその他資本剰余金に変える(振り返る)だけの手続」である。

ちなみに、本ページの趣旨からはやや外れるが、

資本金50 資本準備金0 その他資本剰余金50という会社において、これを

資本金     100
資本準備金     0
その他資本剰余金  0

とすることもできる。これを剰余金の資本組入れという。やはり資本三兄弟での係数操作にすぎない。

資本金と資本準備金の違いはこの係数操作をするための手続の差である。
具体的には株主総会の決議要件(特別決議か普通決議か)や債権者保護手続の要否などである。
「資本金→その他資本剰余金」とする手続と「資本準備金→その他資本剰余金」とする手続とを比較したとき、前者の方がよりハードルが高い。

つまり、会社資金を、株主への還元・流出をしようとするときに、
資本金
一旦、その他資本剰余金に振り替えてから行うが、その手続は厳しい
具体的には原則として株主総会特別決議が必要で、債権者保護手続がマスト

資本準備金
一旦、その他資本剰余金に振り替えてから行うが、その手続はやや厳しい
具体的には株主総会普通決議で足り、債権者保護手続が不要な場合がある

その他資本剰余金
具体的には株主総会普通決議でOK

ということである。一般的に資本的拘束力の強弱といわれる。