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管轄外本店移転1

2021/11/23 火曜日

管轄外本店移転の登記申請は申請書の登記事項の記載の仕方がいろいろと変わってきた歴史がある。

これは元々登記は紙に記載していたものが、コンピューターによって調製されるようになってきたことと深く関わっているとされている。

登記簿が紙で調製されていた時代は現に効力を有する事項の全部を所定の登記用紙に全て書き写すということをしていた。そしてこれを登記申請書の一部として登記所に提出し、これを登記簿にそのまま綴じ込んでいた。
現在のコンピューター登記簿しか知らない世代にとっては信じがたいことだが、昔は登記簿の一部を申請人が作成していたのだ。
現に効力を有する事項なので、過去に就任していて現在は退任している役員等は書き写す必要はないのだが、何が現に効力を有する事項なのかを一つ一つ判断しなければならないのであって、とても大変だったらしい。
今でいう「現在事項証明書」の記載事項だけを書き写すということなのだが、紙の時代にはそんなものはなかったのだからとにかく大変だったらしい。
これを「アナログ方式」と呼ぶことにする。

平成19年になって申請人が現に効力を有する事項の全部を書き写す必要はなく、登記官が書き写すこととなった。(平成19年11月12日民商2451号)
申請人は登記申請書に書き写す基となる本店移転直前の登記簿謄本を添付するだけでOKとなった。
これにより、申請人はどれが現に効力を有する事項なのかを一つ一つ判断する作業から解放されたのだ。平成19年頃は登記簿のコンピューター化が進み、登記所によっては登記簿がコンピューター化されているところと、されていないところが混在していた頃であったので、本店移転直前の登記簿謄本がコンピューター化されている場合には書き写す作業も幾分楽だったと思われるが、未だコンピューター化されていない場合にはやはり大変な作業だったと思われる。
これを「準アナログ方式」と呼ぶことにする。

さらにIT化は進み登記簿がコンピューター化され、各登記所がネットワークにより繋がり各登記所で全国どこの会社の登記記録を閲覧できるようになった。
本店移転の登記事項は本店移転した旨とその日付だけでOKとなった。(平成29年7月6日民商111号)本店移転直前の登記簿謄本を添付する必要はなくなった。
想像ではあるが、登記所のコンピューターはボタン1つで会社の登記記録のうち、現に効力を有する事項のみを抜き出して新たな登記記録を起こせる仕組みがあるのだろう。
IT化の進展により管轄外本店移転の登記申請はだいぶ楽チンとなった。
これを「デジタル方式」と呼ぶことにする。

このように本店移転の登記申請は簡単になった。是非はともかくとして本店移転の登記申請を行うためのソフトなどが製作されているし、代行する業者もいるのだろう。

まだまだ問題も残されているが、これは別の稿で。