お知らせNews

取締役の欠格事由3

2022/2/21 月曜日

この頁では保佐の場合を考えてみよう。

 以前の頁でも書いたように、取締役在任中に保佐開始の審判があっても退任することはない。新たに就任する場合には成年後見の場合とは異なり、2つのパターンがある。
 1つめは保佐人の同意を得て被保佐人自身が就任承諾をするというものである。(これを直接方式と呼ぶことにする)
 2つめは保佐人が付与されている代理権に基づいて保佐人が就任承諾をするというものである。(これを間接方式と呼ぶことにする)この場合は被保佐人の同意を得る必要がある。

成年後見制度でのうち、保佐類型では被保佐人が保佐人の同意を得て法律行為を行うことがあるので、直接方式は従来の保佐の実務とマッチする。
ただし保佐人の同意権は民法13条1項に限定列挙され、同条2項による追加審判があったわけではないので、会社法331条の2第2項により、保佐人の同意権が追加して規定されたと考えることもできる。(民法13条には追加しなかったようだ)

間接方式も従来の保佐の実務とマッチする。直接方式は保佐人が被保佐人をサポートして被保佐人自身に行わせれば問題ない程度の法律行為のときに用いる方式であり、間接方式は保佐人のサポートで被保佐人自身に行わせれることは不十分と思われる複雑な法律行為のときに用いる方式であろう。

 取締役への就任承諾ということがどちらの方式にマッチするのかは判断が難しいところだが、取締役という役職の性質や責任の重大性からは被保佐人自身の関与があった方がいい(取締役に就任するのだ!という自覚を持ってもらうということ)であろうから、直接方式のほうがベターな方式ではないだろうか。
 間接方式では株主総会での選任決議後に家庭裁判所へ代理権付与の審判を請求していては登記までに時間がかかり過ぎてしまう。これを避けるためには事前に審判請求はしておくのだろうが、株主総会決議がなされていない状況でも審判がなされることはあるんだろうか?

注意すべき点は直接方式と間接方式とでは就任承諾をする者、同意をする者が逆になるということであろう。就任承諾書、同意書の作成名義人を間違えてはいけない。