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取締役の欠格事由5

2022/3/05 土曜日

この頁では被保佐人が取締役に就任する場合の登記手続を考えてみよう。
まずは被保佐人自身が就任承諾の意思表示をする直接方式の場合の添付書類である

①就任承諾書
就任承諾書は被保佐人が作成することとなる。(被保佐人が作成名義人となるってこと)
被保佐人の住所と氏名を記載する。
月報司法書士2021年10月号によるとこの就任承諾書には「保佐人の住所と氏名」も記載するらしい。
これはホントだろうか?なぜだろう?保佐人は別に同意書を添付するのだが、この同意書には住所と氏名を記載するのかもしれないが、被保佐人作成の就任承諾書に保佐人の住所と氏名を記載するの必要があるのだろうか・・・。
押印については印鑑証明書を添付する場合以外は不要である。「印鑑不要通達(令和3年1月29日民商10号)」の破壊力は抜群である。

②保佐人の同意書
押印は不要である。「印鑑不要通達」の影響である。理論上はそうなんだが、保佐人がどうした事実をしっかりと残す(後で取り消されないようにするため)ためにも保佐人に署名押印してもらおう。
就任承諾書に保佐人の住所氏名を記載することについては疑問が残るが、この同意書には保佐人の住所氏名は必須であろう。

③被保佐人の本人確認証明書
取締役となる者の実在性を確認するために官公署作成の身分証明書、正確に言えば住所と氏名が記載されている文書を添付する。住民票や運転免許証の写しだろう。

④被保佐人の印鑑証明書
非取締役会設置会社であれば取締役に就任する場合、取締役会設置会社であれば代表取締役に就任する場合には、就任承諾書には成年後見人の実印を押印して、印鑑証明書を添付する。

 なお、保佐の後見登記事項証明書は不要であるようだ。それでは同意書を作成した人物が保佐人であることはどのように確認するつもりなのだろうか?
 通達はその理由については述べていないので、その理由を考えてみた。
成年後見人が成年被後見人に代わり就任承諾をすることも民法が定めた成年後見人の職務の一つであろう。成年後見人には広範な代理権が付与されているからだ。(民法859条1項)
 しかし、保佐人の同意権は民法13条に列挙されているものに限られているところ、取締役に就任することは同意の対象とはされていない。故に就任承諾に同意することは民法が定めた保佐人の職務ではないとも考えることができるので、保佐の後見登記事項証明書を不要としたのかもしれない。チョット無理がある考え方かもしれないが、これ以上は深入りせずに、登記申請では添付不要だが、司法書士としては適法な就任承諾がなされていることを確認するためにも保佐人から保佐の後見登記事項証明書をもらっておくべきであろう。