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社外取締役5

2022/6/26 日曜日

社外取締役の功罪について考えてみるのが、この頁の目的である。
以前から述べているように、社外取締役設置義務があるのはごく一部の大企業に限られている。
それでは中小企業では導入すべきなのだろうか。
コストや人材難を考えるとメリットよりもデメリットのほうが大きいだろう。仮にこれらをクリアしても中小企業というのはワンマン経営や親族経営が多い。これらは必ずしも悪ということではないのだが、これらの経営方式においては社外取締役の制度は相性が悪い。ワンマン経営・親族経営では外部の意見よりも、今までに培ってきた経験や勘のほうが優れている。
ただし、外部の目というものも必ずしも悪ということではないので、会社法が定める社外取締役の要件をわずかながら満たさない者でも、社外取締役としての機能が期待できる者(この頁では準社外取締役と呼ぶ。)を会社に加えることは有用であろう。社長に物申すことができる相談相手というイメージだ。経営や営業に参加してもらう必要はない。
ワンマン・親族経営の会社でも事業規模が拡大してきているようであれば、社外取締役や準社外取締役を考えてもいいだろう。ただし、設置義務がない限り社外取締役である旨の登記はできないので要注意だ

実際の社外取締役は業務執行取締役のお目付役が期待されているのであり、会社の個々の日常業務内容にまで口出しをすることはあまり感心できない。中には会社の個々の事務作業にまで「ここはこうした方がいい」などと言い出して、現場を困惑させてしまっているようだが、これはイカン。社外取締役としての責務を感じて経費節減などを呼びかけたいのかもしれないが、そういったことは業務執行取締役に言うべきであり、直接現場に言ってはならない。つまり社外取締役は現場の従業員に対して直接物事をいうべきではないのだ。言われた方は誰の言うことを聞けばいいのか分からなくなってしまう。会社業務の非効率化を招くと社外取締役制度そのものに疑問が持たれてしまう。

社外取締役には求められた責務を十分に理解した上で、その任を果たしてほしいものだ。
これを結びとして、このシリーズを完結させる。