みずほ銀行の抵当権抹消1
2022/7/03 日曜日
最近、システムトラブルなど何かとお騒がせのみずほ銀行だが、私の周りでも困ったことが起きている。近所のみずほ銀行の支店が相次いで統廃合されている。近所の支店がなくなり、遠くの支店に統合されてしまうのである。まぁ遠くといってもそれほど遠いわけではないのだが、通勤経路にあったものがなくなるとそれはそれで不便である。成年後見業務を行っているとそれは顕著である。
みずほ銀行に限らず大手銀行は複数の銀行が合併等の統廃合を繰り返してして今に至るものである。この頁ではみずほ銀行の統廃合の歴史を振り返ってみる。
みずほ銀行はかつて存在した「富士銀行」、「日本興業銀行」、「第一勧業銀行」が統合した銀行である。それぞれの銀行の歴史を簡単に振り返る。あくまでも私の勝手なイメージとインターネットで簡単に検索できる範囲なのであまり信用せずに。
まず、富士銀行だが戦前からある財閥系銀行の一つである安田銀行が前身である。戦後に財閥解体の際に安田色を払拭して富士銀行と改名した。大手銀行のテンプレどおりバブル経済崩壊後にはだいぶ苦しかったようである。その苦しさからあの山一証券を救済することができず、山一を見放したなんていわれたこともあるそうな。山一破綻は山一に非があるのであり、富士銀のせいではないとは思うのだが。
以下「富士」とする。
次に日本興業銀行だが、重工業への融資を目的に明治時代にできた国策銀行(特殊銀行)である。そんな銀行なのであまり個人の顧客や預金者は多くなかったようだ。戦後にはワリコーと呼ばれる金融債などを発行していた。キューピー人形がマスコットらしい。なぜキューピー?
以下「興銀」とする。
第一勧業銀行は、昭和46年にあの渋沢栄一が創設した第一銀行と国策銀行である日本勧業銀行が合併した銀行である。第一系と興銀系の派閥争いなどもあったが、その派閥争いから互いに牽制し合う結果、手堅い経営がなされてきたようだ。平成9年頃には大規模な総会屋利益供与事件を起こし、経済疑獄を招いたとも言われている。
以下「勧銀」とする。
みなさんの近所のみずほ銀行の支店は、もともとこのいずれかの銀行の店舗であった可能性が高い。興銀はあまり個人との取引をしていなかったそうなので、ここの店舗の数はそう多くはないであろうから、大部分は富士か勧銀の支店であろう。
さて、3行が合併して1つになったのかといえば、そうではない。複雑な変遷をたどっている。この3行は平成12年頃から将来の統合を視野に入れて1つのグループを形成していた。みずほグループという。それぞれ独立して存在しつつも1つのグループの傘下に入っていたのだ。
そして、平成14年7月1日に富士が興銀を吸収合併した。富士が興銀を飲み込んだのだ。(それより前に興銀は別に創られたみずほ統合準備銀行に業務の一部を会社分割しているが、これは関係ない。)これにより日本興業銀行という法主体はこの世から消滅し、100年にわたる幕を下ろした。同日、興銀を飲み込んだ富士は、「みずほコーポレート銀行(以下「コポ銀」という。)」という名前に変わった。富士の本質は変わらないが見た目が少し変わったということ。このあたり魔人ブウの吸収に似ている。(かもしれない。)
さて、同日にもう一つの勧銀は「みずほ銀行(以下「旧みずほ」という。)」へと名前を変えた。こちらは名前が変わっただけである。つまりみずほグループは当初、旧富士であるコポ銀と旧勧銀である旧みずほの2枚看板であった。コポ銀は法人相手の取引が多かったようなので、あまり世間には知られていないかも。
おそらく法人部門と個人部門などを意識して、それぞれに役割を担わせるつもりだったのかもしれない。
ここまでもかなり複雑でなのだが、平成25年以降に更にややこしくなってくる。
平成25年7月1日に旧富士のコポ銀は、なんとその名前を「みずほ銀行」と変えてしまう。(以下「新みずほ」という。)みずほ銀行を名乗る銀行が2つ存在したこととなる。
そしてこの新みずほはなんと旧みずほを吸収してしまうのである。
現実の吸収合併には、存続会社が合併と同時に消滅会社の商号に変更することがある。法形式上は消滅会社はこの世から消滅してしまうのだが、町中にある店舗は引き続き消滅会社の商号を名乗っているので、消滅したはずの会社が存続しているように見えることがあるのだ。財務上や許認可上は存続会社を残しておいた方が得策だが、世間での知名度では消滅会社の方が上というような場合だろう。
つまり、みずほグループの3行はまず、富士が興銀を吸収し、富士と勧銀の2行体制が続き、その後富士が勧銀をも吸収してしまったということである。
平成26年になって、新みずほは本社を移した。
そして現在に至る。
みずほ系の銀行名義の抵当権抹消にあたってはこのみずほ銀行の変遷を知っておく必要があるのだが、これは別の頁で。

