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休眠状態会社の取締役を辞任したい!4

2022/9/14 水曜日

本稿を書いている間になんとコロナに感染してしまい、数日はそこそこの発熱が続き、自宅療養をしていた。なので、前回の投稿から少し時間がたってしまった。さて気を取り直して前回からの続き。

後任の取締役がいなければ後任の取締役を選任しないと辞任や任期満了ができない。だがしかし後任を選任するための株主総会を開催するにも開催のための招集決定をするのに必要な数の取締役がいない。よって株主総会を開催できない。こんなときは株主総会の決議省略か仮取締役の選任であるとした。
しかし、もう1つだけ方法がある。少数株主による招集請求である。しかしこれも理論上・実務上厄介である・
少数株主による招集請求とは少数株主権といわれているものの一つであり、株主の権利である。株主総会を開催してある事項を決議する必要があると思った株主は、取締役に株主総会の開催を要求することができる。会社法297条だ。条文上は招集の請求とはあるが事実上開催請求であろう。

この招集請求を受けた取締役は株主総会の招集決定をしなければならないのだが、取締役が招集決定をせず、招集手続をとらない場合には株主は裁判所の許可を得て自ら招集決定をし、株主総会を開催することができる。

しかしこの制度にも問題がある。
まずなんといっても少数株主権であることから、持株要件や場合によっては保有期間要件がある。これがクリアできないようでは話にならない。
さらに、制度趣旨の問題がある。
少数株主権は所有と経営が分離し、対立が存在していることを前提に所有側のアクションといってもいいだろう。「株主総会を開催せんかい!」というところに、「やだよ!」ということが前提だ。
取締役が全くいないので少数株主権を行使したところで、そもそもこの前提がないものに裁判所が許可をするか否かは不明である。
少数株主による招集請求についてを解説している本も、株主の株主総会開催要求を会社側が突っぱねているということを前提としている。取締役がいなくなってしまって二進も三進も行かなくなったということを前提としていないのだ。

さらに言えば、少数株主による招集請求は株主が会社に対して株主総会の招集を請求したということが必要なのことは触れたが、取締役が全くいない会社に対して招集請求をしたところで、この請求は会社に届いたといえるのだろうか。意思表示が到達した、といえるのは意思表示を受け止める者がいなければならないのだ。そしてその者とは取締役である。従業員ではダメなのだ。
このように考えると、株主が会社に対して株主総会の招集を請求したという事実がないため、株主による株主総会の招集決定・開催の前提・要件を欠いていて、裁判所が許可を与えることはないかもしれない。

このように考えると、取締役が全くいない会社では少数株主による招集請求は意味をなさないのかもしれない。