代表権の帰趨 実践編4
2023/3/09 木曜日
次は取締役会を廃止するパターン。
取締役がA、B、Cの3名の設置会社 代表取締役はA 監査役もいる
令和4年6月1日にAが辞任するので、同年6月10日に取締役会を廃止する株主総会決議 以後は互選制を導入し、6月10日にBが代表取締役に互選された。
とりあえず権利義務関係は生じないものとする。
これは代表取締役の交代といえるので、代表権の帰趨の問題ではないかもしれない。
取締役会を廃止することは取締役の人材確保難でもない限り、あまりないものと思われる。
取締役会廃止後は互選制を採用するので、「代表権付与」とはならない。
(1)株主総会
1号議案 取締役会設置会社である定めの廃止
2号議案 互選制を導入する定款変更
※取締役会の存在を前提としていた各規定も変更する
※両者をまとめて1つの「定款変更」として1つの議案にまとめてしまうこともできる
(2)取締役の一致
代表取締役の互選 代表取締役(住所)Bを選定
実務では取締役が一堂に会して、互選書という書類を作成することが多いと思うが、この取締役の互選は以前紹介した同意方式なので、必ずしも一堂に会する必要はない。
しかし、商業登記規則61条6項2号により取締役は実印で押印して、印鑑証明書を添付する。
そして登記申請。申請書はこんな感じ。
①登記の目的
「取締役会設置会社の定めの廃止」
「取締役の変更」
「代表取締役の変更」
②登記すべき事項
「令和4年6月1日 取締役A辞任」
「同日 代表取締役A資格喪失により退任」
「令和4年6月10日 取締役会設置会社の定めの廃止」
「同日 代表取締役(住所)B就任」
③添付書類
辞任届(届出印または実印で押印する)
株主総会議事録
株主リスト
取締役の互選書
印鑑証明書
就任承諾書
就任承諾書は商業登記規則61条4項の反対解釈により実印で押印する必要はない。非設置会社の代表取締役の就任であるからだ
ということはこの新たに代表取締役となったBは、初めて就任したときは設置会社の平取締役であったので就任承諾書に実印を押印していないハズである。就任の登記の際に本人確認証明書を添付するようになったのは平成28年頃であるから、初めての就任がそれ以前であればBについて実在を確認するための書類は何一つ提出されていない。実在性が確認されていない代表取締役の誕生である
もっとも、印鑑届の際に印鑑証明書を添付するので、ここで事実上の実在性は確認される。互選書も実印を押印するので確認はされるが、取締役の数が多ければ被互選者の押印は不要とすることもできるかもしれない。
④登録免許税
取締役、代表取締役変更分・・・1万円or3万円(別表カ)
取締役会廃止分 ・・・3万円(別表ワ)
