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ダイナムの会社分割1-パチンコ業界最王手の生き残り戦略

2023/12/06 水曜日

ダイナムという会社をご存じだろうか。ダイナムは遊技場すなわちパチンコホールの運営を全国で展開する会社である。要するに全国展開しているパチ屋のチェーン店である。

このダイナムであるが、近時会社分割を繰り返しているようである。この頁の原稿を書いている最中は令和5年12月1日を効力発生日とする吸収分割はまだ効力発生していないので、直近の令和5年7月31日を効力発生日とする会社分割を扱うこととする。

当然ながらこの会社分割に関わったわけではないので、当事会社の事情は知る由もない。あくまでも公表・公開されている資料だけを参考にする。
ところで私はパチスロ歴20年ほどなので全くパチンコ・パチスロをやらない人よりも業界の事情は明るい。(まぁ、パチンコ業界に身を置く人ほどではないが)
もっとも、近所に店舗がないので、私はダイナムで打ったことはない。

ということでこのシリーズは、当事会社の登記事項証明書およびプレスリリースとネット上に出回っている噂レベルの情報と私が20年の間にパチンコ業界について見聞きしたことをベースにダイナムの会社分割の観察や感想である。分析や批評なんて大それたものではない。

先ず前提として、パチンコ業界はいまかなり苦しい。パチンコパチスロ離れが激しいのである。理由はいくつか考えられるが、私がパチンコパチスロから遠ざかった理由でもあるのだが、いわゆる「6号機規制」と「全面禁煙」であろう。

6号機規制というのは正確な表現ではないが、従来のような射倖心を煽りまくるような機種が設置できなくなるということである。
全面禁煙は健康増進法の施行に伴うものだと思うが、喫煙率が高いパチンコパチスロプレーヤーとでは相性が悪い。
しかもこれらの規制は新型コロナウイルスが蔓延しだした頃に始まった。6号機規制、禁煙、コロナのトリプルパンチである。

次にパチンコ業界は比較的中小規模な会社が多い。1社あたり数店程度、おおくても10店位の経営にとどまる。しかも同一地域が多い。地方だと市内にあるパチ屋の全部が屋号こそ異なるが同一の会社が運営していることもあるだろう。地域独占といってもいいかもしれない。プレイヤーの数は限られているので、特定の地域への新規出店は地方都市であればかなり厳しい。ダイナムのような全国展開している会社のほうが珍しいのである。

さらに新台の選定や入替えのタイミングなど、業界の事情やプレイヤーの好みなどを的確に把握していないといけないので、パチ屋の経営は副業的な感覚ではできない。2,30年前であればともかく、最近は誰でも彼でもできる産業ではない。経営が苦しくなっていて、撤退を考えている会社も少なからずあるハズである。

以上を整理すると・・・
1 現在のパチンコ業界は外部的要因で厳しい
2 パチンコ業界は中小企業が地域独占で運営していることが多い
3 運営の難しさからパチ屋運営から撤退を考えている会社もある

といった感じである。もちろん超個人的な見解というよりも単なる思い込みであるが、ダイナムの会社分割はこういった事情を念頭に置くまたは仮定すると理解しやすいかもしれない。

次に当事会社のもう一方の紹介。

吸収分割の分割会社は岐阜県に拠点を置く株式会社敬愛という会社である。
ホームページによれば不動産業がメインのようである。パチ屋経営は副業なんだろうか。この株式会社敬愛という会社は岐阜県内と愛知県内で15店舗のパチ屋を経営している。屋号は「マックス」というらしい。パチ屋はカタカナでしかも威勢のいい屋号が多い。岐阜や愛知以外でマックスというパチ屋を見かけたことがあっても、それは別の会社の運営するパチ屋であろう。

ところでこの敬愛という会社では最近になって3名いる取締役のうち2名が同日付で辞任している。一体何があったのか?チョット不穏なものを感じてしまうのだが・・・。
また、関連会社と思われる会社の吸収合併を行っているようだ。会社全体が大きな岐路に立たされているのかもしれない。今回の会社分割も含めて企業再編の真っ最中なのかもしれない。

この敬愛が経営している複数の店舗をダイナムに譲渡したのが今回の会社分割である。
分割会社が敬愛で、承継会社がダイナムである。承継事業は敬愛が岐阜県高山市内で経営するパチ屋5店である。
業界最大手が地方で展開している同業者の店舗を買収したのである。店舗の買取りのために会社分割(吸収分割)という形式をとったようである。
未出店地域への進出を狙うダイナムとパチ屋の運営が足手まといになってきていた敬愛の思惑が一致したのかもしれない。

次はこの吸収分割の内容を見ていく。

では。