司法書士法人履行体制基準改正1
2024/7/18 木曜日
この頁では公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート(以下「LS」という。)が制定する「司法書士法人履行体制基準」とその改正を取りあげる。
LSとは何かとかLSの指導監督事業とかは割愛する。したがってこの頁は完全に司法書士、特にLSに入会している司法書士向けであることははじめに触れておく。いまだかつてないほどニッチなテーマである。
法人でも成年後見人に選任されることはあるので、司法書士法人が成年後見人に選任されることはある。LSは司法書士法人の社員である司法書士は勿論のこと、司法書士法人そのものも入会することを可能としている。なので会員である司法書士法人には社員総会での議決権行使や会費の納付義務もある。この点、司法書士会とはやや異なる規律である。会員である司法書士法人のことをLSでは「法人正会員」と呼んでいるので、この頁でもそのように呼ばせてもらう。
法人正会員が成年後見人に選任されれば、当該法人正会員はLSに対すして業務報告をしなければならない。この報告の方法を定めていたのが司法書士法人履行体制基準第3条であり、これが令和6年4月1日に実にヒッソリと改正がされた。
本頁の目的はこの改正の趣旨についての独自の分析である。
LSの会員は所属するLSの支部に業務報告をすることとなっている。(LSの支部って何?という人は知り合いの司法書士に訊いてほしいのだが、いわゆる単位会と言われる司法書士会に近い)法人正会員の場合の所属支部は主たる事務所の所在地が所属支部となる。なので法人正会員が1カ所だけに事務所を設置していれば、その所属支部へ業務報告をすればいいのでさほど問題は生じない。
ところが、司法書士法人は複数の事務所を設置することができるので、法人正会員が複数の事務所を設置しているとややこしくなる。例で考えてみる。
主たる事務所 東京都内・・・LS東京支部
従たる事務所 大阪府内・・・LS大阪支部
この法人正会員は東京都内在住の成年被後見人の成年後見人に選任されている。選任家裁は東京家裁である。この場合はLS東京支部に業務報告を提出すればいいのだろうか。
大阪府内在住の成年被後見人の成年後見人に選任されている場合はどうであろうか。(選任家裁は大阪家裁である)この場合はLS大阪支部に業務報告を提出すればいいのだろうか。
結論からいうと、今回の司法書士法人履行体制基準の改正前は法人正会員の場合は主たる事務所や従たる事務所がどこに設置されているのかはカンケーない。LSは個々の成年後見事件に「事務担当者」という概念を設け、事件ごとに法人正会員に事務担当者を選任させていた。なので、この法人正会員は東京家裁選任事件について佐藤という事務担当者、大阪家裁選任事件について鈴木という事務担当者を選任した。
この事務担当者というものは名称もさることながらその役割などによりとてもわかりにくいものである。
事務担当者の詳細については後述するが、その資格は法人正会員に所属する司法書士でなければならない。(「所属」というビミョーな表現にとどめておく)なので事務担当者もLSの会員である。佐藤は法人正会員の社員または使用人だが、事務所が東京であればLS東京支部の会員ということになる。鈴木の事務所が大阪府であればLS大阪支部の会員ということになる。ややこしいかもしれないかが、司法書士法人の社員司法書士や使用人司法書士にも「事務所」という概念はある。なので、法人自体の所属支部と個々の社員や使用人の所属支部が異なることもある。
従来の法人正会員の業務報告の提出先は、この事務担当者が所属する支部に対して行う事となっていた。
なので、佐藤が東京支部の会員であれば自身が事務担当者となっている事件についてはLS東京支部に、鈴木が大阪支部の会員であればLS大阪支部に提出する。
わたしはこれを「事務担当者基準」と呼んでいる。
何故こんなことになっているのか?についてを後回しににして、ハナシをさらに複雑にする。というかこれが根幹である。次の頁では事務担当者を深掘りする。
では。
