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司法書士法人履行体制基準改正3

2024/8/13 火曜日

前回からの続き

事務担当者の変更も「責任所在曖昧事例」もそうだが、事務担当者基準に拘泥していることが諸悪の根源である。これを廃止すればいいのだ。これが私の考えの結論である。

まず、事務担当者の変更に伴うトラブルだが、書面で報告をしていたころはヒドかったと思うが、現在はLSシステムで行われているので、だいぶ減ってきているので、さほど問題ではない。

そもそも事務担当者を定めさせる必要はない。法人なんだから役員・従業員が共同で後見事務を行っているのであれば、誰か1名を特別な役割にする必要はない。
 窓口も指導も代表者(代表社員)を相手方とすればいい。代表者でなくても主たる事務所宛でもいいだろう。なにか用事があれば代表者や主たる事務所に書面等を送りつけて回答を求めればいいハズである。書面を受け取った法人正会員は内部で処理して回答すればいい。
 
これについてLS執行部は次のように反論するだろう。

「代表社員がLS会員ではない場合もある」
これは間違いである。個々の社員がLSの会員かどうかはどうでもいい。当該司法書士法人がLSの会員なんだから、関係ないはずがない。これこそ司法書士法人と合同事務所を同一視していることの証左である。

「回答に時間がかかる」
代表社員が後見業務を実際に担当していないと、法人正会員内部での処理に時間がかかりすぎるというが、それは法人なんだから仕方がない。法人とはそういうものだ。社員数や使用人数が多い司法書士法人を会員として入会させた以上、ある程度は許容すべきである。
指導監督に時間がかかってしまっても同じくある程度はやむを得ない。

「法人正会員は代表者ではなく担当者に問い合わせてほしいハズ」
そりゃそうだ。何でもかんでも代表者に尋ねられてはかなわん。だからこそ窓口を定めるということは法人正会員・LS双方にメリットがある。先に挙げた時間がかる問題も解決するかもしれない。
 問題は、事件ごとに窓口を定めてしまうことである。これでは意味がない。窓口は1つにするべきである。だからこそ事件ごとに窓口を定めるのではなく代表者を窓口とすべきなのである。

 司法書士法人の責任の所在は司法書士法人自身であり、それぞれの社員にある。いくら代表者がLSの会員ではないとしても、当該法人が受任している事件について知らぬ存ぜぬでは許されない。まぁ、実際にはよく知らなくても「私はLSの会員ではないから知らない」とは口が裂けても言ってはならないのである。司法書士法人の社員は無限責任を負うのである。
 社員の1人がやらかしてしまえば、それにより生じた責任は全社員が負う。関与していたとか事情を知っていたとかは関係ない。これは当たり前だが本当に理解しているのだろうかと疑問に思うような司法書士法人がある。社員相互が顔も知らないという司法書士法人があると聞く。顔も知らない社員が司法書士法人の名で何らかの業務を行いこれで損害を出してしまえば、それを無限連帯責任である。これはおそろしい。自分がまったく知らないところで起きたことについて無限連帯責任である。コレまでにこういった問題は起きていないのだろうか。いずれにしても一人法人でもない限り安易な司法書士法人設立や加入は控えたほうがいいかもしれない。

 司法書士法人の社員に「その件は私は知りません」を許してはならないのである。だからこそ代表者を強制的に窓口にしてしまってもいいのである。ただし、いきなり電話されても困るだろうから、書面で回答期限を区切って問い合わせをすればいいのである。
 面倒くさいとか迂遠であるというのは司法書士法人の本質を無視していることにほかならない。

 「責任所在曖昧事例」が起きているのであれば、その根本は司法書士法人の本質の理解不足である。それは法人正会員にもLS執行部にも当てはまる。
 一番重要なのは意識を変えることである。そうでなければどれほど制度や規則を変えてもあまり意味はない。

 窓口を代表者に定めるのだから、業務報告の提出先も当該代表者の所属する支部でもよさそうだが、代表者がLS会員ではない場合や複数いる場合には所属する支部では提出先が定まらないことになるので、提出先は一律に主たる事務所がある支部でいいだろう。
法人正会員が希望する場合には代表者以外の者を窓口と定めることも許容すべきだが、その場合にも事件ごとではなく1名だけとすべきだし、司法書士法人を代表すること即ち、当該窓口となった者の言動が法人の言動であり、すべての社員司法書士に責任がおよぶことを明記するべきである。まぁ、明文化は難しいかもしれないが、少なくとも改正前の事務担当者の役割として規定されている「事務担当者が責任をもってあたる」などのような抽象的な表現ではイカン。

以上が私なりの考えであるが、それではLSはどのように考えたのであろうか。
次回は今回のシリーズの本丸である司法書士法人履行体制基準の改正を見ていく。

では。