休日登記1
2026/3/12 木曜日
令和8年2月から休日を会社の設立の日とすることが可能になった。これを当事務所ホームページでは「休日登記」と呼ぶことにする
会社設立は登記申請の日(登記申請書を登記所に提出した日)が設立日となる。したがって登記所が開いている日なければならないということである。郵送した申請書が日曜日に登記所のポストに届いても翌日に到着・申請されたことになる。もっとも日曜日には郵送されないだろうが。
設立日を会社の誕生日と考え、拘りたい方もいるが、その日が休日であればそれはできないということになる。
また、子会社を設立して分社化をするときは会計処理の都合上、月初を設立日とすることが望ましく、ベストは親会社の期首である。期首を4月1日としている会社が多く、次いで1月1日であろう。
その年の4月1日が平日であればいいのだが、1月1日は休日である。1月1日が休日ってのは何となく分かるが、実は法令の根拠があるようである。
「行政機関の休日に関する法律」によれば12月29日~翌年1月3日までは法務局を含む行政機関は休日となるようである。コレ、当たり前のようだが実は奥が深い。「役所はお休み」としかいっていないので、一般に休日といえるかは分からないのである。具体的には期間の末日を定めた民法142条にいう休日に該当するか否かが不明である。
国民の祝日に関する法律という祝日を規定する法令があり、これによると1月1日は祝日で休日とされている。しかし12月29日、12月30日、12月31日、1月2日、1月3日が土日でなければ、これらの日が休日なのかどうかは分からない。
民法142条は「その日に取引をしない慣習がある場合」とあるが、これは期間の末日を延長するだけであり、休日だとはいっていない。
ということは少なくとも12月29日、12月30日は休日ではなく、その日に取引をしない慣習があるともいえないので、(会社は29日までが多いし、銀行は30日まで営業している)この日が期間の末日であっても末日は延長しないのではないだろうかとも考える。このあたりを深掘りした金子先生の本によると東京法務局は正月三が日を休日として扱い、債権者異議申述公告を12月1日あるいは2日、3日に行い、効力発生日を1月4日とすることはできないとしているようだ。(事例で学ぶ会社法実務 333頁)
民事訴訟法95条3項は期間の末日が12月29日、12月30日、12月31日、1月2日、1月3日の場合はその翌日に延長すると規定している。金子先生は同書で民事訴訟法は明確にしているので、登記実務でも明確な指針が欲しいとしている。
このように休日というものの意義・範囲というか該当するか否かは結構アバウトになっている。
長々と書いてきたが、休日を会社設立日とすることはできないというよりも、登記所が閉まっている日を会社設立日とすることができないというほうが正確であろう。
冒頭に書いたように登記所が閉まっている日を会社設立日とすることができるようになったのである。次回からはこれを規定した商業登記規則第35条の4を深掘りする。
では。
